「表現の自由」と「宗教の冒涜」を考えてみる

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群衆が放火、火の手が上がるデンマーク大使館=AP
「風刺戯画に抗議、シリアのデンマーク大使館に放火」
 
【カイロ=岡本道郎】シリアの首都ダマスカスで4日、デンマーク紙がイスラム教預言者ムハンマドの風刺戯画を掲載したことに抗議する群衆数千人が市内のデンマーク大使館に殺到、一部が構内に押し入り、建物に放火した。被害の詳細は不明。

 同大使館は3階建ての建物の1階部分にあり、同じ建物にはスウェーデンとチリの大使館がある。目撃者情報によると、群衆は当初、大使館前で抗議の座り込みをしていたが、次第に興奮し暴徒化、一部がシリア警察当局のバリケードを乗り越え、構内に突入したという。また、フランス通信(AFP)によると、携帯電話のメッセージなどを通じ、デンマーク人がコペンハーゲンの広場でイスラム教聖典コーランを燃やそうと集まっているとのうわさが流れたため、抗議行動が発生したという。

 一方、ヨルダンでは同日、風刺漫画を転載した地元週刊紙シハンの前編集局長(2日解任)が宗教冒涜(ぼうとく)容疑で司法当局に拘束された。

2月5日の記事です。
他人の大切にしているものに対して敬意を払う気持ちがないとこんなことまで起こってしまうという例です。

事の起こりは以下の通りです。



2月2日のニュースから

「デンマーク紙の預言者風刺、中東諸国で抗議強まる」

 デンマークなど欧州の新聞、雑誌などがイスラム教預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載したことに反発した中東諸国が抗議の姿勢を強めている。デンマーク製の乳製品不買運動は中東のほぼ全域に拡大。ガザ地区の欧州連合(EU)事務所前では、武装パレスチナ人が発砲する事件も起きたほか、サウジアラビアが駐デンマーク大使を召還するなど外交問題にも発展しつつある。

 問題の漫画はまず昨年9月、デンマーク紙「ユランズ・ポステン」が掲載。爆弾の形をしたターバンを巻いたムハンマドを描いてある。仏教などと異なり、偶像崇拝を排するイスラム教では預言者の地位が高いだけに、イスラム教徒は漫画を教義への冒涜(ぼうとく)と受け止めて抗議。だが、ノルウェー誌や仏独両国の新聞なども漫画を転載したため騒ぎが広がった。(ブリュッセル=下田敏) (21:00)


「偶像崇拝」
神以外の人や物を信仰の対象として崇拝すること。神を被造物と混交するものとしてキリスト教・イスラム教などでは厳しく否定され、他の宗教を非難する語として用いられた。

これが、偶像崇拝を簡単に説明した文章です。
確かに「キリスト教」も禁止していると書かれてあるけれど、現代に残っているイスラムの偶像崇拝禁止とは比べ物になりません。
日本でのお祈りの姿を思い浮かべてみたら一目瞭然です。

イスラム=メッカの方角に向かっていたらどこでもお祈りはできる。壁に向かってもできる。祈る対象は必要ないのです。
(なんとマレーシア航空のビジネス、ファーストクラスにはなんと機上でお祈りできる祈祷室があるというのです。メッカの方角をどのように示すかが気になるところですが・・)

キリスト教=教会のお祈りする前には十字架にはりつけになったイエス(偶像)がいる。
(何か人間が作ったもの<偶像>を対象にしてそれに祈りをささげる)


なにかでちらりと見たような気がして、どんな風に書かれた風刺戯画なのかと、インターネット上、日本語で「ムハンマドの風刺戯画」とイメージ検索してみると、なんと出てきませんでした。
これほどネット社会になっていて新聞のタイトルにもなっているにもかかわらず出てこなかったのです。
「流していること=イスラムへの冒涜」、と良識あるメディアもきちんと存在しているということになるのかな。
by saitoru1960 | 2006-02-05 17:02 | いろいろ

心動かされたことを忘れぬように


by saitoru1960