カテゴリ:ひとりごと( 70 )

69最後の学年集会で

私が最初に勤めた学校の横には桜のトンネルがありました。
学校は長い坂の上にあり、学校の横にある坂道の両側に植えられた桜並木の坂道は4月当初、それはみごとな桜のトンネルになります。
私は新学期が始まって新しいクラスになると、初日か2日目のLHRの時間によくこの桜のトンネルに生徒を連れていきました。1年生にとっては、いろんな中学校から集まってきた全く知らない子達の中に一人ぼっちでいるような気分で、とても静かに教室を出ることになります。
トンネルまでの時間もあまり私語は聞こえてきません。
そして、桜のトンネルを目にした時、どんなことが起こるか想像してみて下さい。
そう、「わー、きれい!」って声に出す子がいるのです。ずっと下を向いていた子が桜の花を見て柔らかい表情を見せたりもします。
「きれいやね」、と自然に言葉を返す子も出てきて、静かだった集団はザワザワし出します。
そして、このザワザワによって「わたしはこんな集団の一員になったんだな」と確認して、安心感を持ち、居心地が少しだけよくなる子が出てきたりするのです。

修学旅行で、料理を食べた時のことを思い出して下さい。
どこかのレストランで、あきらかに桜を見た時とは逆の反応を示した人がたくさんいましたね。
くさっ、何これ!?、無理!、顔をしかめる、など桜のトンネルを見た時の反応とは正反対の反応をたくさんの人達が示しました。
あの臭いの正体はパクチーです。
タイ語でパクチー、中国語ではシャンツァイ(香菜)と呼ばれ、東南アジアでは料理によく使われるので、マレーシアの修学旅行で出会った人がいるかもしれません。
独特の臭いですね。カメムシの臭いにも近いものがあります。
桜のトンネルを見た時のリアクションと、初めて匂いを嗅いだパクチーに対するリアクションとではまさに真逆の方向を示すのですが、ここに一つ「物の考え方」へのヒントが隠されていると思います。
このパクチーはなんと、「パクチー料理」と名前をつけられ、2016年、「今年の一皿」に選ばれたのです。
たくさんの人が、「いい香り!」、「美味しい!」と絶賛し、SNSに流していくことで、あっという間にマイノリティーはマジョリティーとなり、「時の人」ならぬ、「時の料理」となってしまいました。
簡単な言い方をすれば、くさいにおいだったのがいい香りになった、といういい方ができるかもしれません。
たくさんの人が「これはいい」と言えば、自分の「これはおかしい」という意見が変わってしまうというってことですよね。悪いように言うと、周りに流される、といういい方をするかもしれません。
でも、これってね、悪いことではないと思うのです。
他の人が認めてくれると、自分の価値観をいい方向に変えられる柔軟性があるってことだと思うのです。
最初に出来てしまった価値観で自分をギリギリ縛ってしまうと、新しい価値観と出逢うチャンスを失ってしまうかもしれないという一つの例になるのかもしれません。

前の学年集会で流れた松井先生の映像の中に、NHKの番組「プロフェッショナル:仕事の流儀」で使われている曲「prpgress」が流れましたね。「あと一歩だけ前に進もう」というあれです。
10年も続いている番組なので、みんなあの曲をどこかで耳にしたことがあると思うけれど、わたしは去年の11月にたまたまあの番組を見た時、あの曲の歌詞がググッと入ってきたのです。
その回は、高校生がプロフェッショナルに弟子入りするという内容でした。天ぷら職人、掃除のプロ、編集者、それぞれに18歳が弟子入りし、進路を模索していく過程が描かれていました。

あの歌の歌詞をじっくり読んだことのある人はいますか。
あの歌詞は、今の君たちがあと10年もした頃に、「昔の自分を振り返った時、今の自分はどうなんだろう」という応援歌です。
1番にこんな歌詞が出てきます。
「ずっと探していた 理想の自分って もうちょっとかっこよかったけれど」
と振り返ります。そして、
「僕が歩いてきた日々と道のりを ほんとはジブンていうらしい」と続き、「あと一歩だけ前に進もう」となります。

最も強烈だったのは、2番に出てくる歌詞です。
「ガラスケースの中 飾られた悲しみを見て かわいそうに なんてつぶやいてる こんな自分 」
このあとにどんな言葉が出てくると思いますか。
「ガラスケースの中 飾られた悲しみを見て かわいそうに なんてつぶやいてる こんな自分 」
「蹴りたくなるくらい キライ」です。
蹴りたくなるくらいキライ、「昔のオレ(わたし)はどうしてしまったんだ、こんな自分じゃなかっただろう」ってことですよね。
理想の自分を探していた頃の自分は、飾られた悲しみを見た時一体どう反応したのでしょう。
ここにいる1人1人が、これからそんな人生の期間に入っていくので、飾られた悲しみに出くわした時、自分が反射的にどんなリアクションをとるか、きちんと覚えておいた方がいいと思います。

もうひとつ。歌詞にはこんな言葉もでてきます。
「誰も知らない世界に向かっていく勇気を(     )っていうらしい」

答えはミライです。
勇気があると自分のミライは開けるって意味です。
「勇気」ってなんでしょう。
迷っていて選んだ選択肢。他の人が、何でそんなことを選ぶん!?・・、という状況かもしれないとき、
「あいつならわかってくれる」、と思える誰かがいるだけで出るもの。それって勇気じゃないですか。
この誰かっていうのは、友達、家族になるかもしれません。
去年の文化祭でこんなことがありました。
金曜日の校内祭の時です。一般客は入ってこられない日です。
暗がりの中、バトン部のステージを後ろの壁にもたれて見ていると、ふと後ろの方の席に座っているお母さんががうなづきながら演技を見ているのに気づいたのです。
「娘の最後の晴れ姿を見に来たんだろうな。」とこっちまで同じように親の気持ちになってしまいました。
そのうち、その人はポケットからハンカチを取り出し、そっとこぼれる涙をふいたのです。
こっちも思わず涙が出そうになりました。でも次の瞬間、涙は止まりました。
横顔がこっちを向き、顔が見えたのですが、なんとそのお母さんはお母さんではなく、1年上のバトン部の卒業生だったのです。

思い切って「勇気」をふりしぼろうとする時、
「あいつなら」と自分を思ってくれる人がいるだけで最初の一歩を踏み出せる時があります。。
そしてもうひとつ、自分のことを見ている誰かがいる、という状況も同じような行動をとらせてくれます。
部活動をやりきった人達には、先輩と後輩がその存在です。
先輩が自分達を見て流した涙は一体何の涙なのか。
「私たちの渡したバトンをちゃんと受け取ってくれてありがとう」っていう涙かもしれません。
先輩に泣いてもらえた事実は「勇気」をふりしぼるエネルギーをうむことでしょう。
そして、自分たちも同じように後輩から見られているということを覚えておいていいと思うのです。
いつまでもあなたたちは、2年生と1年生にとってのは先輩なのです。
「やっぱり先輩はすごい」と思われ続けること。それが将来にわたるあなた達の背中を押す力を生みだしますよ。
是非、3送会では受験の話ではなく、先輩からの最後のメッセージとして、これからの自分自身の話をしてあげて下さい。
高校3年間で自分がもらった宝物を次のランナーにバトンタッチするように。

これで私の話は終わりです。
1カ月後の予行・卒業式の日に元気でまた会いましょう。


by saitoru1960 | 2017-01-26 22:18 | ひとりごと

心の余裕

自傷段階の場合、現世への希望をまだ諦めきっていないため、なんらか事態の改善につながる助けを求めている傾向があるとされるが、自殺ではコミュニケーションを求める行為はほとんど見られず、またそのような心の余裕もないことが多い。(ウィキぺディアによる)
by saitoru1960 | 2015-07-09 19:46 | ひとりごと

246

f0013998_1685096.jpg週末の帰り、リファーレの本屋によりブラブラ眺めていると、沢木耕太郎の新刊(文庫)「246」に目がとまった。1986年の日記エッセイで、ページをめくり少し読んだだけで、これは、と感じてレジに並んだ。
深夜特急を発刊する頃の日記風のエッセイで、まだ3歳前の娘とのやりとりなども出てくる。
わかばや光とも、こんな会話をしていたこともあったはずなのに、これほどきちんと覚えていない自分に、やはりその時々を大切にして、文字で残す所はきちんと残しておかなければ、人間は簡単に忘れてしまうものなのだ、と実感してしまった。

中には、深夜特急の校正段階で削除された部分も掲載されていて、沢木の今まで知らなかった過去を知ることになった。単に雨が降ったから銀行の出社の一日目でやめたというのではなかった。

日記なので、今日は雪が降った、肌寒い日が例年以上に長い気がする、といった表現に、ふと、あの年はそんな年だったのだ、と急に1986年を思い出していた。
何か一つ違っていたら今とはかなり異なる人生になっていたであろう年であった。
そんなことも思い出しながら、協力隊に行く前にあの作品に出会ったことは、モルディブに旅立つきっかけの種になっているのも確かなことだと今さらながら運命のようなものを感じてしまう。
ふとふりかえったとき、今の自分に力を与えてくれる過去を持っているということは、幸せな出会いがあったいうことなのだろう。

昨日、BSで見たバスケットの全日本インカレ。61年ぶりに筑波大学が優勝した。
聖地代々木第二体育館に掲げてある、「燃えよ桐の葉、燃えよ筑波」の文字に少しだけタイムスリップしている自分がいた。
by saitoru1960 | 2014-12-01 05:54 | ひとりごと

加齢とともに

9月下旬から、左膝に生じてきている違和感。
正座をして曲げられない所から始まり、寝た状態から立ちあがる時、階段の上り、など意識的に体重を加減しなければいけない状態が続いている。
何も気にならなければ自然に動いていたことを改めて感じさせられる。
最後まで走りきれるのか、走り終えた後のダメージはどれくらいなのか、予断は許さない。
by saitoru1960 | 2014-10-24 05:30 | ひとりごと

佐々木の死

佐々木が死んだ。
37歳になる年だった。

2014/9/13 08:21 神戸新聞
男性はねられ死亡 神戸・兵庫区

13日午前1時50分ごろ、神戸市兵庫区平野町の国道428号で、歩いていた同市北区桜森町、会社員佐々木潤一さん(36)が乗用車にはねられ、搬送先の病院で死亡した。

兵庫署は乗用車を運転していた同市北区山田町小部、アルバイト寒川夏樹容疑者(20)を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕し、過失致死に切り替えて調べている。

現場は信号のない片側1車線の直線道路。
by saitoru1960 | 2014-09-15 13:53 | ひとりごと

谷川先生

今年の年賀状には返事がなかった。
陸上部の会報が、宛先不明で返ってきたと坪田くんから連絡が入った時、嫌な予感がした。
その知らせを聞いてすぐ、高志さんに電話すると、そうか、でもそのうち元気になったから、と連絡くると思うけどな、と言われ、とりあえず三校の時に、とその場は終えた。
でも、つい悪い方へと考えてしまう。
すると、松野さんから、暑中見舞いを出したけれど返ってきたので知らないか、という連絡も入った。
昨日、手帳に控えている番号に電話をかけてみると、「現在使われていません」、と機械が話すので、これはもう行くしかない、と姫路に向かった。
ハイツ1階の整骨院で尋ねると、先生はここに通っているようで、電話をかけてくれた。
最悪なことも頭にはあったので、涙声になりかけ、久しぶりに先生の声を聞いた。
20分後に山陽百貨店の入り口出会うことを約束し、台風の雨に打たれながら、姫路城の南の道を、傘に隠して涙をこぼしていた。
しばらくはそっとして、元気になるのを待っていよう。
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by saitoru1960 | 2014-08-09 20:55 | ひとりごと

通勤ランの春

滝川の角には冬でもラベンダーが咲いている。
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板宿小学校北。
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滑走路からテイクオフ。
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蓮池小学校裏。
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蓮池公園。
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神戸長田教会の前。
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長田の新湊川。
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横断歩道を渡ったところ。鬼平の北側。
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柳の新芽はなんとも言えない薄緑色。
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雪柳と桜はゴージャス。
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薄桃色と薄緑色の色合い。
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室内小学校をバックに。
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会下山公園を臨む。
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市住の花一輪。
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夢野正門横の木蓮。
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沈丁花の花。
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匂いは春を告げる。
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花壇のパンジーは色がはっきりしている分、はかなさは感じられない。
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水の科学博物館。
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神戸で一番というふれこみに行ってみた。
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日本を感じさせられる風景。
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今年の桜は楽しませてくれる。
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by saitoru1960 | 2014-04-02 18:24 | ひとりごと
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by saitoru1960 | 2013-02-08 20:57 | ひとりごと

類表皮のう腫

いつの間にか腰のあたりにおできができていた。
ニキビの大きなのができたのか、と放っておいたら、「皮膚がんかもしれないから」と脅かされ、西市民病院に行ってきた。
女医さんに見せるとすぐに、「これは皮膚に袋のようなものができたやつです」と皮膚がんを一蹴。
アテロームや粉瘤と呼ばれる時もあるようで、詳しくは今後また気にすることが起こるかもしれないので以下に。
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粉瘤は類上皮嚢腫(のうしゅ)、外毛根鞘性嚢腫、脂腺嚢腫と呼ばれる三つの嚢腫(粥状物のつまった袋状のできもの)を包括した臨床的診断名ですが、臨床上、頻度的には類上皮嚢腫がほとんどで、日常よく見られる皮膚腫瘍の一つです。

粉瘤は全身の皮膚のどこにでもできますが、主に顔面、頸部、体幹にみられます。皮膚の中にこりこりとした「しこり」としてでき、次第に大きくなってきます。

これは腫瘍の本体が皮膚の表皮でできた袋で、その中に皮脂や角質がたまるためです。
このできものの表面は常色、ないしはやや青味がかかった色調を示し、しばしば中央に黒点状の開口部があり、強く圧迫すると、ときに悪臭のある白色粥状物の排出がみられます。
一般的にこの大きさは5㎝位までです。

治療は局所麻酔の注射をしたあとに、手術でこの袋状の腫瘍を取り除くことです。
ただあまりに腫瘍が大きくなっている場合は、中身の白い粥状物を除去して腫瘍の大きさを縮小させてから、腫瘍の本体を取り除くこともあります。

ときに、この腫瘍は細菌感染を生じ、赤く腫れ痛みを起こすことがあります。
この場合は切開し、内容物と膿を出して抗生物質の内服か点滴で治療します。
経過をみて、後日手術で取り除くことになります。

気をつけてほしいのは、切開の時期が遅れると、肉芽組織を置換して皮下に血がたまったまま腫れた状態がしばらく続いたり、嚢腫が破裂して、内容物が真皮内に放出されて、著明な異物反応が起き、異物肉芽腫が形成され皮下のしこりが複数個になってしまうことがしばしばみられます。

そうなると治療がとてもしにくくなるため、疑わしい症状がある方は、なるべく早く皮膚科専門医に相談する事をすすめます。
by saitoru1960 | 2012-11-08 21:07 | ひとりごと

桐の葉が

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石井がアップしてくれたつくばの新しいユニフォーム。
ブルーということも知っていた。桐の葉だけはそのまま残すのではないかと期待していたけれど、やはり連絡があったとおり以前のものではなくなった。
見慣れるまでは時間がかかりそうな気がする。
by saitoru1960 | 2012-05-20 16:40 | ひとりごと

心動かされたことを忘れぬように


by saitoru1960