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同期の桜

私が、協力隊(JOCV)に参加したのは1988年の4月である。

派遣前の訓練が3ヶ月ほど信州駒ヶ根の訓練所で行われるのだが、集合は東京であった。

神戸よりも開花の早い桜が、神宮外苑できれいに咲きほころび、大学時代の国立競技場でのインカレの事などを思い出しながら、のんびり日本青年館(だったと思う)まで歩いた。

「同期の桜はいいよね」

と、訓練を終え、出発までの荷物まとめをするため神戸に帰って来た時、神戸高校で同僚だった国語の田中先生が、会話の中でぽつんとそう口にした。

無意識に、訓練所での事を楽しそうに話していたのだろう。

訓練所には、「人生は楽しむためにある」とでもいう様な行動をとる奴がとてもたくさん集まってきていた。

その中にいると自分の中にある、「素直な自分」が自然に出てきた。

「こんな風にしたら変に思われるかな」 と、大人になって身についた、しょうもない気遣いは必要なく、子供の時のように本能のおもむくがまま、前向きにやりたい事をガンガンやることができた。

たった77日間の合宿生活。

そう、たった77日だけ同じ場所でエネルギーを燃やした仲間が、それから任期の2年間、そして帰国後も離れ離れになってはいてもいつもそばにいてくれている気がする。

帰国後12年が経った。

毎年、春と秋に2回、全国で青年海外協力隊の募集説明会が開催されている。

そこに時々OBとして話をしに行くことがあるのだけれど、昔の自分がそこに座っているようで、

「迷ってたら、まず行動してみましょう。良いことがきっとあるはずです」 とつい言葉に力をこめてしまう。

それに、OBとして説明をしに行くというよりは、そこに座っている人達の瞳の輝きが見たくて、毎回都合をつけ足を運んでいる気がする。
by saitoru1960 | 2002-03-14 00:00 | 協力隊

心動かされたことを忘れぬように


by saitoru1960