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イスラム教は悪じゃない

2001.9.11の数字から、ほとんどの人は世界貿易センタービルのテロ事件を思い浮かべるはずである。

そしてそこには「犯人はイスラム教徒」という公式がなんかしら存在し、その答えとして、「イスラム=悪」なんてものも薄らぼんやりある気がして実に怖い。

たとえば、「広島の原爆の跡はもう大丈夫なのか?」と外国に行った時あなたが訊ねられたら、「ほんとにもう!なーんも知らんのん!」と瞬間的に嫌悪感を持ちながら反応するはずだ。それに近いものが「イスラム=悪」という答えの裏にはある。

他の国の歴史や文化、習慣の一端だけをとらえてその国そのものを決めつけることはかなり危険なことなのだ。

アメリカのアポロ11号が初めて月面着陸したのは今からもう33年も前。夜空に青白く輝く「月」へロケットが飛び、人類の記念すべき第一歩を印した興奮を今も覚えている。

イスラム社会では「太陰暦」が今も「イスラム暦」として使われ、この12月5日、1423年の「断食の月」9月が終わった。

月が時間の基準になっているので「日没」で一日が始まる。月の満干で一ヶ月の長さが決まるので、月の形で「何日」かがわかる。実にわかりやすい暦である。(明治の初めまでは日本もそうだった。「陰暦」というやつ)

また、イスラム社会には「赤十字社」はなく、その代わりに「赤新月社」があるのも宗教からきている。

救急車の横っ腹には、赤い十字架ではなく赤い三日月が描かれている。「月」はイスラム教徒にとってはまさに神々しい存在なのだ。

その聖域を33年前アポロ・アメリカは侵した。自分にとって心のよりどころとなるもののシンボルが異教徒によって犯された、と想像してみてほしい。

月面着陸は、歓喜にわく多くの人間がいた一方、テレビの前で怒号の声をあげ、すすり泣いていた多くの人間がいた世紀のショッキングな出来事だったのだ。

キリスト教のクリスマスを楽しみ、神道の神社に初詣をする時期がやってきた。強い宗教観を持たない日本人には理解しづらいことが世界には数多くある。
by saitoru1960 | 2002-12-16 15:45 | アジア

心動かされたことを忘れぬように


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