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アジア麺くらべ

アジアの国々を歩いているとバラエティーに富んだ麺を食べることができる。

小麦粉が原料の中華麺に始まり、そば粉やでん粉で作った韓国冷麺、米粉で作ったベトナムのフォーなど、原料一つとっても様々で、そこに麺の形状や調味料などの違いを挙げだすと、「アジア麺・行列のできる店!」なんていう本が一冊できること間違いなしの豊富さである。

そこのところに、日本のオリジナルと考えられるインスタントラーメンという「文化」が、広くアジア全域にひろがり、アジア麺事情をより複雑にさせている。

モルディブではパーティーをする時に、ちょっと贅沢な食べ物として「ヌードルス」が登場した。袋に入っているインスタントラーメンをバキバキに割って大きなたらい(!)に放り込み、そこに麺がちょうどほぐれるくらいのお湯と袋に入っていた粉スープ、かつおのフレークや玉ねぎの炒めたもの、ケチャップなどを適当に投入し、グチャグチャに混ぜ込んで完成。

最初見たとき、何じゃこのめちゃめちゃな作り方は!?、と驚いたのだが、一口食べると、かつおカレー一色のモルディブ食事情の中では、やったね!と、ちょっと小躍りするくらいインパクトある簡単ウマウマ料理なのであった。

さて、韓国に初上陸し港町プサン(釜山)にて出会った生麺の話である。

春まだ盛りでない3月、上陸し最初に食べたのはおきまりの焼肉アンド冷麺であった。焼肉後の冷麺はなるほどモチモチした噛みごたえのある食感で、さすがだったのだが如何せん冷たすぎた。焼肉を食べた後なのでなんとかもちこたえていはいたけれど、店の外に出てウインドブレーカーをはおりながら、あーさむ、とおもわず背中を丸めてしまったほどである。

焼肉屋を出て、国際市場あたりの偽物ショップなんかを冷やかし歩いているとき、道の真ん中に、ビールケース数個の上に板を乗せ、風呂用のプラスティック椅子を置いただけの屋台と呼ぶには少々貧弱すぎる麺屋を発見した。

鍋からは湯気がモワモワ立ちあがり、あたたかい汁の匂いも鼻腔をくすぐって、冷麺で冷えた体には反射的に唾が出てくるシチュエーションであった。

とりあえず、籠に入っている細いきしめん風の麺を指差し、「オルマエヨ(いくら?)」とガイドブックのハングル会話講座からことばをひろって、座っている小太りのおばさんに告げた。

「○#△*・・」と返ってきたが、全く数字が分からなかったので紙に書いてもらった。すると百円ちょっとの値段だったので、うなづいて「ちょーだい!」と日本語で答えると、ニコッとして、煮立っているお湯の中にその麺を放り投げてくれた。

具はつみれやもやし、きざみねぎといったどこにでもあるものだったけれど、澄んだ色のだし汁はしじみからとったもので、細いきしめん風麺にほのぼのと実によくあった。

麺を食べきり汁を全て飲んだ後で、おばさんの顔を見て、だし汁の入った鍋を指差し、からになった丼の上に指を動かしながら、「もうちょっと汁くれない?」というような顔をするとふとっちょかあさんは、再びニッコリして、おたまで汁だけ丼に注いでくれた。

心から温まる、超私的お勧め麺であった。
by saitoru1960 | 2004-01-10 15:53

心動かされたことを忘れぬように


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